前号では、「外から内への防音」と、「内から外への防音」でも非常にシビアな要求レベルのものについて触れました。
続いて、日常生活の中でありがちな騒音トラブルに対応する「内から外への防音」についてお話しします。
ペットの鳴き声で迷惑をかけたくない
鳴き声の大きなペットというと、思いつくのはイヌかニワトリくらいでしょうか。
ニワトリが鳴くのは朝方なので、あまり迷惑にはならないでしょうが、帰宅が午前2時、3時になる人が近隣に住んでいると、
その人に対しては迷惑になってしまうかもしれません。
それでトラブルになったら、対応は難しそうです。飼育ケージを室内に置くのは、においの関係で無理でしょう。
考えられるのは、声を反響しそうな壁に吸音材を張るくらいでしょうか。
ですが、おそらくニワトリはレアケース。いちばん問題になりそうなのは、やはりイヌでしょう。
イヌといっても、小型犬は鳴き声の音程が高く、つまりは周波数が高めなので遮音が容易です。
特に何の防音措置をとらなくとも、ご近所トラブルにはならないでしょう。
問題は大型犬。鳴き声の周波数が低めであるうえに、声量も大きくなります。
一戸建てで室外飼育(庭飼い)、それで無駄吠えされたら、これはもうトラブル必至です。少なくとも室内飼育に切り替えましょう。
それから、ニワトリよりは「しつけ」が通用するのがイヌです。
ネット検索すれば、無駄吠えへの対処法はたくさん紹介されていますし、ペットショップやかかりつけの獣医にアドバイスを聞いてもいいですし、
プロのトレーナーに頼めば、それこそ魔法のように解決してしまうこともあります。
こうした対処も立派な「防音対策」です。
ですが、それ以外の方法もあります。
まず、前号で触れたような「サッシの二重窓化」を行えば、まず間違いなく問題は解決します。
「外から内への防音」のところで紹介したものですが、イヌの鳴き声であれば、対外遮音としても十分に機能します。
そこまでしなくとも、ちょっとしたグッズを利用することで、あまりお金をかけずに対応することもできます。
オススメなのは「防音カーテン」です。
代表的な製品に、
「サウンドガードIII」があります。
高密度の遮音層にエンボス加工を施した非常に厚く重い生地でできており、ふつうのカーテンをはるかにしのぐ遮音性を発揮します。
しかも、暗幕カーテンとしての遮光性にも優れ、断熱性も高く、部屋の冷暖房費の節約にも役立ちます。
ひとつ気を付けたいのは、「防音カーテン」として市販されているものの中には、粗悪品もあるということです。
「安物買いの銭失い」にならないよう、あまりに安い製品には慎重になる必要があります。
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