各種工場においては、近隣に響き渡るような大音響を発生させてしまうような作業もありますし、
工場内でも作業効率を低下させてしまうような騒音が発生する場合があります。
前者については、主として防音壁の構築が有効です。要するに、工場の周囲を、吸音材を内側に張った壁で囲んでしまうのです。
上方向を覆わなくてよいのかという疑問があるかもしれません。しかし、音には直進性があるのです。
上空に何らかの反射源があれば話は別ですが、なければ上方は特にカバーする必要はありません。
高速道路の遮音壁がヨコ方向しかカバーしていないことからも、これはおわかりいただけるでしょう。
ただし、工場の敷地は往々にして広大で、壁で囲うにしても長大な壁が必要になります。
まんべんなく囲うとすると費用が膨大になってしまいます。
そのため、敷地内における騒音発生源の分布を調査したうえで、効率を考えて防音性を付与した壁を設立する方が、費用対効果ですぐれています。
また、後者についてはさまざまな対策が考えられます。
まず、作業スペース全体の防音。これは、前に見てきたような「内から外への防音」のノウハウを用いて、工場屋舎そのものに防音施工するということです。
壁や天井に吸音材を仕込むのが主要な方策となるでしょう。
しかし、その工場屋舎内での騒音が激しくて、作業効率が低下してしまうこともありえます。
これを抑止するには、まずはソフト的な面で、工程手順や確認事項の規定を見直し、不要なプロセスがあれば削除するといった方策があるでしょう。
さらに必要ならば、ハード的な部分で機械やロボットの配置を変えたり、ラインの流れそのものを変えたりすることによって改善できることもあります。
それでも十分に騒音を抑止できないならば、機器を設置する床に制振ゴムを敷いたり、
大音量の騒音を発する機器を防音室で隔離したりといった措置が求められてくるでしょう。
そのほかにも、機器の動作時に部品と部品がぶつかるところに緩衝材を挿入したり、機器外装に分厚い鉛板を張ったりして、
制振処理を行うという方法もあります。
このように、音響を専門とする会社や防音に特化した調査・施工業者は、大中小の規模を問わず、あらゆる防音対策に対応できます。
一般の建設会社には、そのようなノウハウはありません。防音・遮音であれば、専門業者にご発注ください。